中古車を買いに行くのを想像してください。
高額な買い物だし、買っ手すぐトラブルがあっては困るので、個人売買では無く中古車屋さんに行く人が多いのでは?
ビンテージランタンはどうでしょう?
当社には時々修理の相談が来ますが、大概はヤフオクやメルカリで個人の方から購入したけれど、届いたのは修理が困難な物と言うケースです。
なかには、「保証」をうたって販売しているけれど、実際にトラブルが起きると使い方が悪いと購入者に責任を押しつけて逃げてしまう悪質なケースや、商品説明に燃焼テスト済みと書かれているけれど、燃焼の画像が無く、届いたら修理しないと使えない物だったりと言うケースが多いようです。
しかも、会社では無いので所在地を明らかにせず(※1)、匿名配送でクレームを入れても返事をしない。
こうした物を修理に出すと、結果として高い買い物になることが多いです。
こういったトラブルを避けるために、無難なのは販売後の保証をしているアウトドアショップ、プロショップです。
店頭でランタンについて突っ込んだ質問をして、きちんと返答が来ればその店は信頼できます。
点火テストも見せてくれたら問題なしです。
近くにビンテージランタンをおいている小売り店さんが無い、有っても数が少なく選択肢が少ない。
そういう場合はネットオークションや、フリマサイトでの購入になりますね。
しかし、ショップと違い、現物の確認が出来ず、買った後に調子が悪くても、ノークレームノーリターンを盾にされ、売りっぱなしで逃げられるケースも多いです。
また、購入したときは気がつかなくても、後で分解整備をしたら内部に致命的な問題を抱えている個体をつかまされてしまうケースもあり、ネットオークションやフリマサイトでの購入はギャンブルです。
そこで、失敗しないためにも下記をチェックしましょう。
1.「匿名配送」
買った後、調子が悪くても相手の連絡先はサイト内のコメントのみになるので、売り逃げされてしまうケースが考えられます。
「匿名配送」をする売り主さんは気をつけましょう。
2.燃焼テスト
実際に使えるランタンか、燃焼テストの画像が掲載されているかで判断できます。
「燃焼テスト済み」と説明に記載されていても燃焼画像が無いのは疑わしいです。
また、燃焼も、短時間しかまともに燃焼しない物も多いです。
多くはバルブアッシーのトラブルなのですが、これは画像と説明文だけでは判断が難しいです。
3.「保証」について
売り主が保証を付けているか確認しましょう。
1年保証以上を付けていれば良心的な売り主さんで、商品の状態にも自信があると思って良いでしょう。
「返品保証」はとりあえず整備したけど、不良の可能性がある場合に付けるケースがあるので、用心しましょう。
「保証」とうたっていても保証の内容が曖昧な物もあります。 どんな保証内容か確認しましょう。
4.整備後にテストをしているか
これ絶対です。
上記の燃焼テストとかぶりますが、分解して掃除をして組み上げただけのピカピカのランタンは見栄えは良いけど、きちんと灯が付くとは限りません。
特に、「ポンピングしてエアが出ました」はNGです。
エアが出ても燃料が上がってきていない場合も有り、短時間しか燃焼しない場合は多々有りますので、きちんと燃焼テストをさせないと整備完了とは言えません。 燃焼テストをしていない物は整備が完了しているとは言えません。
また、燃焼テストも1~2時間の短時間では意味がありません。 燃料を使い切るまでテストしているか確認しましょう。
また、燃焼テスト用のフレームを使ったテストを行う業者さんも要注意です。 フレームには空気を吸い上げる吸気パイプの機能も兼ねており吸気パイプが詰まっている、異常があるなどが原因で異常燃焼する固体も多いです。
テストフレーム(別フレーム)では無く、販売する状態での燃焼テストが望ましいです。
4.フレームが再塗装されたランタン
またまた中古車屋で車を買う事を思い浮かべてください。
元が錆びだらけの車で、その錆びを塗装でごまかした車って買いたいですか?
または、強い酸や強い薬剤で金属にダメージを与えながら錆を落とし、再塗装した車を買いますか?
ビンテージコールマンの場合、フレームが塗装されているのはごく一部モデルのごく一部の年式です、その他は無塗装の金属むき出しのフレームかメッキ仕上げです。
それ故フレームの塗装はオリジナルとはかけ離れ、コレクターとしては違和感を感じ、ビンテージランタンとしての価値を損なっています。 それでもあえて塗装するには理由があると疑いましょう。
5.「未整備」「現状渡し」
「未整備」「現状渡し」は腕に自信がある人はトライしても良いですが、「ビンテージランタンは自分でいじるのが楽しいのです」「簡単に整備できますから整備の出来る方のみご購入ください」は疑いましょう。
簡単に整備できるなら売り主さんが整備してから売ります。
では何故、自分で整備せずに売るか。
それは、手に負えない状態のランタンの可能性があります。
ポンプスリーブが腐食している、ポンプ奥の縦パイプが詰まってポンピングが出来ない、タンク内の腐食が激しい。
これら重症のランタンは決して珍しくないです。
ちなみに、手に負えない状態の物を業者に出してレストアすると、購入額と同じぐらいの整備費用がかかってしまう、もしくは整備不能なケースが有ると考えましょう。
最近この5番目の相談が増えています。
※1 ヤフオクやメルカリでの個人売買が盛んですが、仕入れて販売をしている場合、業と見なされますので、業者として登録して納税をする必要がありますが、それをしない場合、脱税で摘発の対象となります。
現在、通報等によって逮捕されるケースが多く、そうなるとますます問題ある商品を買ってしまうとアフターケアが望めなくなります。