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ゴローズはインディアンジュエリーではないのか?
前の方の章で、インディアンジュエリーの定義について、アメリカの法律ではインディアンが作った物のみがインディアンジュエリーとして認められていることを書きましたが、その事で質問が来ています。
「ゴローズの作品はインディアンジュエリーでは無いのでしょうか?」

アメリカの法律で言うとインディアンジュエリーでは無いです。

でも、ゴローズはちょっと特殊なんです。
ゴローズの創始者は高橋吾郎さんは、スー族の過酷な儀式を経て正式にインディアンとしての名前、イエローイーグルを貰った方です。
一般に、高橋吾郎さんは現地で学んだとされる彫金技術に独特のセンスで味付けをした作品を生み出し、人気を博したとされています。
しかし、高橋五郎さんがインディアンネームをもらったスー族は、インディアンジュエリーの作家をほとんど輩出しておらず、技術的にもナバホやホピと比較して完成されていません。
なので、正しくは、インディアンと過ごした時間から得たインスピレーションを元に、ジュエリーの制作を始めたというのが正しいでしょう。

その作風は、インディアンジュエリーとは若干違い、高橋五郎さん独特の作風ですが、インディアンジュエリーのエッセンスも感じさせます。
アメリカの法律では認められませんが、インディアンの間でも高橋吾郎さんが作った作品は素晴らしいジュエリーとして認められるでしょう。

残念ながら高橋吾郎さんは2013年12月に帰らぬ人となりました。
彼の没後の作品は認めないという人も居ますが、インディアンジュエリーがスピリッツを重視した物だとするのなら、現在も高橋吾郎さんのスピリッツを受け継いでいるのなら認めても良いと思うのですが・・・・。

以前も書きましたが、本国のインディアンジュエリーは一部の例外(フレッドハービーやRB等の専門店がOEMで作らせた物)を除いてブランドという物は存在しません。
必ず作家さんの名前で扱われます。

ですので、日本国内で作られているブランド物のインディアンジュエリーは全てインディアンジュエリーでは無いことになります。
ですが、ゴローズは高橋吾郎さんに敬意を表してインディアンジュエリーと認めてもいいように思います。 個人的にね。

こう書くとアリゾナフリーダムは? ファーストアローズは? という質問も来そうですが、アメリカの法律上はインディアンジュエリーでは無いです。

試しにアリゾナフリーダムのサイトを拝見すると、何処にもインディアンジュエリーという文字はありません。
モチーフについても太陽神や唐草模様はインディアンジュエリーのそれとはあきらかに異なります。
しかし、アリゾナフリーダムは独創的なデザインセンスと、日本人らしい確かな技で素晴らしい作品を作っています。
インディアンジュエリーとしてでは無く、確かなシルバースミスが作ったシルバーアクセサリーとして評価されるのが良いように思います。
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