Q:ビンテージランタンを購入しましたが、ベンチレーターとタンクの色が違います。
寄せ集めでしょうか?
A:これ、時々ある質問です。
寄せ集めといわれるランタンはかわいそうだなぁ。
実はね、色の違いはそのランタンが刻んできた歴史なんです。
例えば赤ランタンとして有名な200Aですが、ベンチレーターはホーロー、タンクは塗装と、表面の処理が違います。
ホーローは着色したガラスを溶融して金属の表面に付着させます。
つまりベンチレーターの表面は色ガラスのようなものです。
これに対してタンクは塗装です。
赤いラッカーにクリアを吹いたものです。
ホーローは10年経とうが100年経とうが色や艶は変わりません。
しかし、塗料は経年劣化や紫外線劣化、薬品による劣化退色が起きます。
古いものほど、使用された時間が長いものほど、太陽の下で過ごしたものほど色の違いが出てきます。
手元のランタンのベンチレーターとタンクの色が違う場合、そのランタンが作られてからの長い年月がタンクの色を変えたのだと理解してください。
それはそのランタンの歴史です。
中古で購入したものや、お父さんやお爺さんから譲り受けたものでしたら、そのランタンは元のオーナーさんとたくさんキャンプをし、日の光を浴び、たくさん使われ、いつもオーナーさんの側にいた働き者のランタンの証だと思ってあげてください。
まれに雨ざらし放置されていたように思えるランタンもありますが、それも歴史です。
そんなわけで、タンクの色褪せ具合に味や趣を感じる人、特にバースイヤーランタンをお探しの方には、自分が生まれた年から今までの時間を刻んだランタンンとして、朱色になったタンクを求める人も多く、綺麗に灼けたタンクは人気です。
大丈夫、古くたってたくさん働いたってしっかり直します。
あと何十年でも使えるようにします。
それがレストアマンの仕事ですから。